記憶について、書きたい。
ただ今回のそれは、子どもの頃ではない。
最近の身近な出来事や自分の行動のことで、結論を言えば、よく覚えているようになったと思うのだ。
ありありと思い出せるようになったというか、そんな感じだ。
以前は逆だった。
前にも書いたが、他の人が覚えていた些細なことが、私の記憶には全くなかったことが何度もあった。
また、つい数日前のことも、自分が何をしていたか、現実感をもって思い出せなかった。
実際には必ず何かをしていたはずだが、その何かをしていた時でさえ現実感がなかったのに、それから数日たてば、出来事はさらに幻に消えていってしまったような。
それがもしかしたら、変わってきたのかもしれない。
このところの変化といえば、思うことや感覚、また自分の存在そのものに、少しずつ現実感を感じられるようになったこと。
現実感をもって物事にあたれるようになったことで、ちょっとした過去もリアルに覚えているようになったと思う。
では、今までの私がよく覚えていたことは、なんだろう?
振り返ってみると、論理と理屈のみである。
「こんなことがあった→自分はこうしなければならない」みたいなことしか頭に入っておらず、その物事が起きた時に自分がどんな風に何を見ていたかや聞いていたかは、全く記憶にない。
過去に「自分がいたこと」はスッポリ抜けていて、周りで起きていたことだけの記憶に流されている毎日であった。
これが変わりつつあるのであれば、とてもすばらしい。
やっと普通の人と、肩を並べられるまでに成長したというだけだけど。
今はそれでも、いいではないか。